はじめに
誰もが『ルールがよくわからない』というスポーツ。アメリカンフットボール。
実はある程度の試合の流れさえつかめば、『ルール』より『戦術・戦略』について知ったほうが100倍面白いスポーツです。
解説できる限り、ここで解説いたします。RPG(ロールプレイングゲーム)や戦略ゲームなどに例えていきます。
アメリカンフットボールの魅力
■アメリカンフットボールの魅力■
アメリカンフットボールの本場アメリカでは絶大な人気を誇り、何億人もが熱狂するスポーツ。
でも日本の、特に関東での人気は超イマイチ。
この差は、なんなのでしょう。
でも日本人でも、プレーしたことのある人の多くが言います。
「こんな面白いスポーツはない」
でもつまらないと言う人のほとんどが言います。
「ルールがわからない」
ルールは、確かに複雑です。
でも、ゴルフも、野球も、ルールブックを開くと恐ろしく難解です。
流れさえつかめば、そんなに詳細なルールは知らなくてもいいのではないでしょうか。
アメフトの魅力は、その奥にあるのですが、ルールで断念して、みなそこまで行き着かないのではと思います。
ここで、ある程度ゲームを楽しむための「流れ」と、
あまり語られることの無い、でも、アメフトの魅力の大きな部分を占める「戦術」
とを、若輩者ですが、出来る限り伝えていこうと思います。
◆Passion 〜情熱〜
アメリカのプロリーグ、NFL。一度は見たことがある方もいらっしゃると思います。
ちょいコワイ顔の外人さんが、全身からほとばしるほどの闘争心を発する姿を見たことがある方も
いるかもしれません。
アメフトは、かなり戦争をイメージして作られた部分があります。用語も軍用語が多いです。
よろいを着てかぶとをかぶり、集団で陣形を組み、敵本陣を目指して衝突します。
本物の戦争自体はするべきではないですが、バーチャルな戦闘をフィールドで体現できているのは、
アメリカ人の有り余る闘争心のはけ口として役立っているようにも見えるのですが・・・
あと、なぜ彼らは、よろいのような防具を着てプレーするのか?
アメリカの合理主義らしいのですが、「最新鋭の装備をして、その分思いっきり戦いましょう」
という考え方をしています。
ですから装備で守られている分、生身の身体では不可能なほど、激しさは増します。
また、究極的にチームプレーが必要なスポーツなので、いやがおうにもチームの結束は高まります。
選手が50人いるチームで、試合に出るのは才能あふれる数人だけ、ということはありえません。
11人でやるスポーツですが、交代が自由で、オフェンスとディフェンスで違う選手が出ることが多いですし、
それ以外で特別な状況だけ出てくる、切り札的な選手もいて、50人いればほぼ50人使います。
選手だけでなく、諜報部隊や軍医にあたるスタッフも、非常に勝敗に影響します。
コーチもハッパをかけるというレベルではなく、完全に試合に参加して戦っています。
選手・スタッフで70名くらいの組織なら、その試合で何も戦力に影響しない人は、ほとんどいないでしょう。
ゲームの特性上、同じ動きや役割をすることが殆どなく、ひとつの任務はひとりに任され、
その別々の役割を全員が遂行することで、プレーの成否が決まります。
「オールマイティではない人間たちが、自分の特化して出来る事を責任として遂行し、全員でハーモニーを奏でて勝利を目指す」
という要素で、チームの結束は試合までには最高潮になり、「チームの為に戦う」ことで、
集団の論理とでも言うんですかね。多人数の仲間にお互い引っ張られて異常にテンションが上がります。
私個人的にはですが、これらの映画の要素のすべてがアメリカンフットボールに含まれていると思うのです。
自分の学校・自分の州・国家・自分の仲間・自分のチームの誇りにかけている2チームが、
軍団単位で、ガチガチに装備して、身体・作戦・陣形・暗号・心理トリック・医療科学・通信技術・メカニック・運動生理学・裏工作等すべてのすべてを用いて激しく激突する、
・・・という図式が、ゲームをヒートアップさせるのです。
◆Strategy 〜戦略〜
アメフトは、ボールを持った選手を前進させ、敵本陣(敵エンドゾーン)を落とす、
あるいはそれを阻止する、というせめぎあいの競技です。
その中で、1プレーづつプレーが途切れ、毎回サッカーのセットプレーのように、ボールを置きなおして始まります。
これがつまらない、という方もいますが、毎回プレーが分断されることで、お互いに陣形の選択・戦術の選択・情報の分析の
時間と機会が与えられます。
サッカーやラグビーとの違いは、
「アクションゲーム」
と「コマンド型のRPG」
との違いのようなものです。
アメフトは毎ターンごとに、敵・味方のパラメータを見ながら、コマンドを選択していくゲームなのです。
アクションゲーム型の他のスポーツと比べないで、別物と思って頂けるとありがたいのですが。。。
流れは止まりますが、局面局面のスリルと緊張感があります。
一回一回止まるとはいえ、それほど長くない時間の中、必死で綿密な作戦が組まれます。
まさに戦場という緊迫感で、ものすごい忙しさの中で作戦が組まれます。
プレーを見て「なるほど!こう来たか!」
プレーの間に「オレならここを突く!」
「あそこが弱点じゃないか?」など、
一緒に局面局面を見守るのが、このスポーツの観戦の面白さでもあります。
将棋や、歴史ものやシミュレーションゲームが好きな方は、ひいきのチームの起死回生の逆転の秘策がキマッた瞬間、
鳥肌が立つと思うのですが、
残念ながら、日本でこの「戦術」部分がそこまで浸透していないという現状があります。
チームにとっては作戦は極秘事項ですし、知ろうとすればきりが無い部分もありますが、
このページである程度楽しめるぐらい解説できればいいな、と思っています。
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